「作家になれば、出版社はここまでやってくれるのか……」
と常念岳を眺めながら呟いたものだった。
それから五十年……。(略)活字離れは決定的で、出版不況の冷たい風が吹き抜けるなか、出版社には、編集者を旅に同行させる余裕はなくなっていた。それどころか、旅の経費も出ないことが多くなってしまった。旅行作家といわれるようにはなったが、自分で資料を集め、ネットの記事の執筆などで旅の経費を捻出しなくてはならなくなっている。
この種の話になるとつい愚痴っぽくなってしまう。
これまたペーソスを含んだユーモアがすごくいい!! 含羞を帯びた諧謔がすごくいい!! そして実際にお会いしてみると、ちょっとシャイな感じがすごくいい!!