2022年4月16日土曜日

山種美術館「上村松園・松篁」1

 

山種美術館「上村松園・松篁 美人画と花鳥画の世界」<417日まで>

 上村松園から選ぶ「僕の一点」は、山種美術館が所蔵する「牡丹雪」ですね。昭和19年の作品です。

素晴らしい松園の評伝を書いた馬場京子さんは、この作品について、「永遠に降り続くような大粒の雪、昭和十九年という、戦争最中の暗い世相が、重苦しい牡丹雪と重なって映るのは、みる者の勝手な当て推量なのであろうか」と述べています。

魅力的な読みですが、逆に戦争最中の暗い世相とまったく隔絶した、あまりにも艶やかな絵画世界が、チョット不思議な感じもします。どうしてこんなことが起こったのでしょうか。どうして松園は、それを可能にしたのでしょうか。

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