しかしこれは教科書的回答であって、チョット皮相的だと思います。少なくとも一般庶民は、近代国家意識などをもって歴史画を見たのではなく、自分たちのヒーロー・ヒロインのように見ていたのではないでしょうか。
やはりここでも思い出されるのは、明治10年爆発的流行をみた西南戦争錦絵でしょう。それは歴史画でありながら、現地取材が行われたものじゃ~なく、実態は完全な浮世絵でした。
それはともかく、ちょうど浮世絵の美人や役者や相撲取りを見るのと同じように、歴史画をみる視覚です。それは浮世絵を見るときの伝統的視覚であり、さらに言えば江戸時代250年のあいだに培われた伝統的視覚でした。1868年に近代国家に生まれ変わったとしても、一朝一夕に改まるはずはありません。
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