この一対の作のような典型的な太白尊は、他に類例をみない。はなはだ珍しい存在である。牡丹唐草の文様はかなり深く彫られており、しかもさらえた間地に櫛目を繁く印しているので、文様の浮上りがすこぶる明瞭である。一対で作られているということは、おそらく祭器として用いられたことを示唆するものであろう。
先日紹介した「山水図(廬山観瀑図)」の彦龍周興七絶賛にも登場した李白は、ご存知のとおり、天下に名だたる酒仙詩人です。「太白尊」と命名するのを許可する代わりに、中身を詰めて天上までもって来い!!なんて、酔っ払いつつ咆哮しているのではないでしょうか(笑) 李白がお酒をたたえた「将進酒」「月下の独酌」「少年行」などは、すでに戯訳をアップしたように思いますが、今回はマイ暗唱詩の一つ「客中行」を……。