高山接碧海 高き山すそ野は続く青海へ
居処坐書城 居る部屋は牛汗充棟そこに座す
翰墨生花筆 翰[ふで]と墨生み出すみごとなカリグラフィー
教席鶴髪童 教壇に立つは鶴髪童顔の……
授知得快著 授ける知さらにすぐれた本を書く
栄辱釈迷津 栄[は]えも毀[き]も乗り越え迷界解き明かす
休退身猶健 休退というけど体はなお壮健
賛君脚不停 賛[たた]えたい君の歩みの止まぬこと
贈られる智仁親王自身が一品、つまり鶴なのですから、鶴を描いたらダブってしまいます。連句でいうベタ付けになってしまいます。友松は浜松図を描きながら、松から一品大夫を、波から一品当朝を連想させて、智仁親王の一品叙位をことほいだのでしょう。智仁親王を慶賀すべき一品大夫と一品当朝を同時に...