本書を読んで「思想史はこんなに面白い!」と感じたら、渡辺浩さんのデビュー研究書『近世日本社会と宋学』(東京大学出版会 1960年)に挑戦してみたらいかがでしょうか。これがあって初めて、『日本思想史と現在』のような本が書けるんだと腑に落ちることでしょう。
僕にとっては、それまでの単純な朱子学の日本展開論を根底から突き崩してくれた一書でした。それとともに、渡辺さんの朱子学展開論と我が文人画の私的理解との間に、パラレルな関係が成立するように思われて、とてもうれしくなったことを思い出します。
10年ほど前、『 國華』で根来特輯号を組んだことがあります。根来が大好きな僕は、主幹の小林忠さんに売り込んで (!?)、 巻頭言 「『 根来塗』特輯に当って」を書かせてもらいました。ここに再録することをお許しください 。 我ながらよく書けていると思うので……( ´艸`) ...
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