1980年代初頭、中国湖南省の山岳地帯。長年郵便配達を務めてきた男は、後を継ぐことになった息子を連れて、初めて一緒に仕事に出る。重い郵便袋を背に、愛犬“次男坊”と共に峻険な山道をたどり、いくつもの山を訪ねる2泊3日の旅。父は、道筋は勿論、集配の手順、手紙を運ぶ責任の重さと仕事の誇り、そして手紙にこめられた人々の想いを、静かに息子に教えていく。幼い頃から息子は、寡黙で留守がちな父に対して、距離を感じていた。だが、村人の信頼を集める父の姿に接し、徐々に尊敬の念を深めていく。いつもそばで父を支え、彼をやさしく包んでくれた母の偉大さにもあらためて気づく。
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