2024年4月28日日曜日

出光美術館「復刻 開館記念展」3


 去年から微力にもかかわらず出光美術館のお手伝いをすることになった僕ですが、その「僕の一点」は、一対の「青白磁刻花牡丹唐草文吐魯瓶とろびん」ですね。中国は北宋から南宋にかけての頃でしょうか、景徳鎮で焼成された逸品です。青白磁は白磁のバージョンですが、影青インチンとも呼ばれます。

青白釉が彫り文様の凹部にたまってかすかに青みを帯びると、それが影のように見えて得もいえぬ情趣を醸しだすからです。青白磁という無機質な名称より、影青の方が僕の好みですね。丸い球の4分の1ほどをカットしたような、あるいは後で述べる梅瓶メイピンの上半分だけを残したような、どっしりとした器形には、斗酒なお辞さぬ益荒男のような力強さを感じます。

 

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