2019年11月28日木曜日

中国美術学院「歴史と絵画」5


その高居翰記念図書室に、「高居翰教授栄休賛」と題される書画賛が掲げられていました。中国椅子に腰かけるケーヒル先生が描かれ、その右上に五言詩の賛があって、「一九九四年五月二日図於香江並誌 萬青力」と落款されています。
ケーヒル先生がこの年、カリフォルニア大学バークレー校を定年退官されるにあたり、萬青力先生が香港から贈られた書画賛なのでしょう。萬青力先生は画家にして中国美術史の研究者で、かつて米国・カンサス大学や香港大学でお会いしたことがあるのですが、201772歳でお亡くなりになりました。
その五言詩を、原詩と僕の戯訳で紹介することにしましょう。これは「高居翰教授栄休賛」を頭字に読み込んだ蔵頭詩、我が国でいえば折句、つまり「カキツハ(バ)タ」を読み込んだ「唐衣着つつなれにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」みたいなものです。僕もそれを守ろうとしたので結構苦労しました(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...