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2024年8月31日土曜日

大木康『山歌の研究』8

 

  おしゃべりずきな奥さんに 男ができたが先手うち

  人がうわさをする前に 近所の悪口まき散らす

  しもやけの瘡かさ六月に 心配するバカいないはず

  借金取りも名人は 暴力ふるって取り立てる

 これは中国語の音通を教えてもらわないと、喩えがチョット分かりにくいようですが、浮気を隠すために、「攻撃は最大の防御なり」を実践する奥さんをからかっているんです。情事を隠すために、周りにこまごまと気を使う純情な女性の一首と一対になっていて可笑しいんです!!


2024年8月30日金曜日

大木康『山歌の研究』7

 

 さらに僕がおもしろいと思ったのは、明代になると散曲(歌曲)が文人たちによって妓楼で作られ、歌われていたことです。それだけではありません。明末になると、俗曲、はては山歌までも戯作しようとする文人が出現したというのです。唐時代にはやった擬古楽府ぎこがふとチョッと似ているじゃ~ありませんか。文人たちがそれを意識していた可能性もあるんじゃ~ないでしょうか。先にあげた『潮来絶句集』なども、これと無関係ではないでしょう。

『山歌』にも注記によって、明らかに文人の作と分かるものがあるそうです。たとえば巻1「捉奸」第1首の後評に収められた2首は、『山歌』の編者である馮夢龍の作だそうです。そのうちの1首は……。


2024年8月29日木曜日

大木康『山歌の研究』6

 

    春画

娘が部屋でぼんやりと…… 視線は宙を泳いでる

 たまたま春画を見つけたら 身はメロメロになっちゃって

 「こんなすてきなやり方を すっかり覚えてあの人が  

来たらなんとかこのとおり 活きた春画を描きたい!!


2024年8月28日水曜日

大木康『山歌の研究』5

 

    笑み

 巽たつみの方から春風が 吹いてきました斜交はすかいに

 みずみずしい花 一輪が 葉っぱの上に咲きだした

 若い娘よにっこりと 愛想笑いはするじゃない!!

 どれだけ多くの色恋が 始まったやら?微笑から


2024年8月27日火曜日

大木康『山歌の研究』4

 

ここでいつもの戯訳といきましょう。近体詩、つまり普通の漢詩のように字数が決まっているわけではありませんが、やはり七五調にしてみました。大木さんのすぐれた現代語訳を利用させてもらいながら、序章に引用されるきわめて印象的な二首「偸ぬすむ」と「笑み」、それから明代春画(春宮画)研究の資料としても使えそうな「春画」の3首を……。

 もしも男を作るなら オドオドなんかするんじゃない!!

 現場を見つけられたなら 私が罪をかぶります

 いっそお上の前に出て 両膝ついて正直に

言ってやりたい手を出した――のは私です!!まず初め


2024年8月26日月曜日

大木康『山歌の研究』3

 

当時の情況を考えれば、妓院娼楼と関係する歌が基本なのかもしれませんが、普通の女性を歌った、あるいはそれに仮託した歌謡の割合も拮抗しているように思われます。そこには唐代閨怨詩の伝統も受け継がれているのではないでしょうか?

儒教の影響で相聞歌が非常に少ないといわれる漢詩に対して、こんなに豊饒な、そして開けっぴろげともいうべき恋歌や艶歌の世界が、民衆庶民のあいだには広がっていたのです。これを知って、僕は中国の詩歌がますます好きになってしまいました。葛飾北斎『潮来絶句集』のもとになった潮来節と共鳴するエロティシズムが、明らかに感じられるじゃ~ありませんか!! この点にもすごく興味を惹かれたのでした。


2024年8月25日日曜日

大木康『山歌の研究』2

 

中国では労働人民の歌であるといわれ、また妓院娼楼の歌であるともいわれ、見解は大きく二つに分かれるそうですが、大木さんは『山歌』の一部だけを取り上げて論じるからそうなるのだと、批判的に指摘しています。

こういうむずかしい点になると、僕の出る幕はありませんが、男女の愛情や恋情を直截に、赤裸々に、ちょっとエロティックに、あるいはコミカルに歌ったものが多いことはだれでも分かります。いや、この『馮夢龍<山歌>の研究』をみる限り、すべてロマンティックな恋歌、あるいはセクシーな艶歌であるように思われます。しかも「饒舌館長ブログ」には、チョット引用が憚られるような猥歌さえあるんです( ´艸`) 

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  荻生徂徠「春日、君瑞・叔潭・潮師・子和集う。韻を青の字に分かたる」  江戸城南の草の色 色づき始める青々と……  二月の春風 芳しく 我が楊雄 ようゆう の 庵 いお に 吹く  侯芭 こうは の ごとき弟子が酒 一本 下げて来ないなら  『玄経』著者が住む辺も もの寂 しか...