2025年2月26日水曜日

『昭和が恋した女優たち』4

 

写真評論家の鳥原学氏も、「自分の写真は『ポートレートに始まりポートレートに終わる』と早田は語っている。しかもできるだけその外面を美しく撮り、グラビアで再現したい。そのために心がけた配慮のなかに、彼の成功の理由が見えてくるのである」と述べています。

加えて仕事が速かったようです。先の鳥原氏は「早田は撮影相手に必ず次の仕事の予定を聞き、時間を逆算して仕事に掛かった。またポーズを決めてから照明を設定していたが、これも時短のためだった」と書いています。さらに第2章のトビラには「スタジオのセットが決まれば、撮影にかかる時間は15分ほど。忙しい女優たちにも歓迎された」とあります。つまり土門拳のように、時間など頓着せず凝りに凝るなどということは絶対なかったのでしょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』2

 本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質...