写真評論家の鳥原学氏も、「自分の写真は『ポートレートに始まりポートレートに終わる』と早田は語っている。しかもできるだけその外面を美しく撮り、グラビアで再現したい。そのために心がけた配慮のなかに、彼の成功の理由が見えてくるのである」と述べています。
加えて仕事が速かったようです。先の鳥原氏は「早田は撮影相手に必ず次の仕事の予定を聞き、時間を逆算して仕事に掛かった。またポーズを決めてから照明を設定していたが、これも時短のためだった」と書いています。さらに第2章のトビラには「スタジオのセットが決まれば、撮影にかかる時間は15分ほど。忙しい女優たちにも歓迎された」とあります。つまり土門拳のように、時間など頓着せず凝りに凝るなどということは絶対なかったのでしょう。
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