陸游「村童の渓上に戯たわむるを観る」
雨があがってすれすれに 堤を流れる渓たにの水
晴れた夕暮ながめてる 遊ぶ子供をのんびりと
竹馬の子はぬかるみを 物ともせずに駆け抜ける
我が物顔に大空で 風をはらんで唸うなる凧
そんな子供も冬来れば 村の私塾へ通わされ
親父おやじについていっせいに 畑を耕さねばならぬ
字なんか年貢の命令書 読めればそれで十分で
高位高官 苦労して 目指そうなんて愚の骨頂
葉室麟『古都再見』(新潮社 2017 年) 前回、渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』から春草を詠んだ絶唱を連載したとき、後花園天皇の七言絶句を引用し、葉室麟さんの見立てもアップしました。ついでにというのも失礼ながら、『古都再見』を通読し終わったところです。通読したというのは...
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