2025年7月21日月曜日

和歌山県立博物館「祇園南海」4

新竹図巻

四月になって夏が来て 初めて雨が晴れました 

龍と化す竹 玉の肌 みないっせいに出現す 

南風なんぷう一夜で筍たけのこの 皮をすっかり剥ぎました 

大きな竹の孫たちに 不要だ!! きれいな負ぶい紐 

十日も経てば雲を突き グングン天まで伸びていく 

葉擦れサヤサヤ風吹けば 鸞鳥らんちょう鳳凰 鳴くようだ 

項橐こうたく・甘羅かんらは早熟の 天才――君も知るとおり 

三歳みっつの獣けものは人間と 同じだけれど名を継がず 

かの顔回がんかいも若く死に 子孫はこの世におりません 

天帝 万物 育成に もちろん力を注いでる 

李賀長吉の天賦の才 摘み取るなんて出来ません 

さと・昌谷の新竹は 露に濡れつつ青々と……

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」2

    そのカタログから「ごあいさつ」を掲げて、 根来塗のあらあらと 展覧会の趣旨を知ることにしましょう。   「根 来 」は一般的に、下地を施した木地に黒漆塗りし、朱漆を上塗りした朱漆塗漆器( 朱漆器ともいう) を指します。 おおらかで明快な姿かたちに加えて、長年の使用により表...