新竹図巻
四月になって夏が来て 初めて雨が晴れました
龍と化す竹 玉の肌 みないっせいに出現す
南風なんぷう一夜で筍たけのこの 皮をすっかり剥ぎました
大きな竹の孫たちに 不要だ!! きれいな負ぶい紐
十日も経てば雲を突き グングン天まで伸びていく
葉擦れサヤサヤ風吹けば 鸞鳥らんちょう鳳凰 鳴くようだ
項橐こうたく・甘羅かんらは早熟の 天才――君も知るとおり
三歳みっつの獣けものは人間と 同じだけれど名を継がず
かの顔回がんかいも若く死に 子孫はこの世におりません
天帝 万物 育成に もちろん力を注いでる
李賀長吉の天賦の才 摘み取るなんて出来ません
里さと・昌谷の新竹は 露に濡れつつ青々と……
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