2024年3月29日金曜日

ブータン博士花見会4

 

とくによく知られているのは「太白」里帰りの物語です。日本では絶滅していた幻のサクラ「太白」の穂木ほぎ――接木するための小枝を、イングラムは失敗を何度も重ねながら、ついにわが国へ送り届けてくれたのです。

しかし戦後、ふたたび「染井吉野植栽バブル」が起こりました。全国の自治体は、それぞれの大義名分のもとで、競うように染井吉野を植樹したのです。阿部菜穂子さんによれば、成長が早く経済的なこのサクラは、戦後の荒廃からいた早く立ち直ろうとした「新生日本」のシンボルとして、改めて都合よく使われたのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」9

贈られる智仁親王自身が一品、つまり鶴なのですから、鶴を描いたらダブってしまいます。連句でいうベタ付けになってしまいます。友松は浜松図を描きながら、松から一品大夫を、波から一品当朝を連想させて、智仁親王の一品叙位をことほいだのでしょう。智仁親王を慶賀すべき一品大夫と一品当朝を同時に...