この興味尽きない光琳の傑作が、いよいよ14日から始まる後期にお披露目となります。僕は口演を始める前に、特別拝観をお許しいただき、光琳の夢中世界へそっと忍び入ったことでした。そして小さな図版ではよく分からなかった点や、箱書・添幅などについても新知見を得ることができたんです。
いつか鮮明なイメージとともに紹介できる日が来ることを、それこそ夢見つつ、今日は「光琳と能」の一部を引用して、それに代えることにしましょう。もちろんこの拙論は、『琳派 響きあう美』(思文閣出版 2015年)に収めてあります。
農家の師走の仕込み酒 濁っていたって構やせぬ 客へのご馳走 鶏 とり や豚 豊年ゆえか山盛りだ 川は入り組み山高く 行き止まりかと思ったら 芽吹く柳と桃の花 こんな処にまた一村 笛や太鼓が響き来る もうすぐ春の祭りらしい みんなの着物は質素だが 古きゆかし...
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