2022年10月26日水曜日

サントリー美術館「美をつくし」9

 

もっとも、応挙の「眠猫図」には落款がなく、画面右下に「祖応挙翁之真蹟 保可以 無疑矣 応陽鑑」とあるだけです。つまり、近代の円山派画家・国井応陽が応挙の真蹟であるという鑑定を画面のなかに書き込んでいるんです。こういうのを「紙中極め」といいます。はじめ「保可以」を「保つべし 以って」と読んでいましたが、チョット不自然な感じがします。

「保可以」は「ほがい」と読んでことほぐことやいわうこと、漢字で書けば「寿い」「祝い」となりますが、この方がよいかもしれません。そうだとすれば、「ことほぐべきことに真蹟疑いなし!!」となりますが、これもチョットおかしいかな()

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