出光美術館「生誕150年 板谷波山」<8月21日まで>
板谷波山――尊敬してやまない近代の陶芸家です。作品がきわめて個性的であり、一見して波山だ!!とすぐわかります。波山はファインアートとしての陶磁器を完成させた近代的芸術家であり、陶工ではありませんでした。伝統的な技法を継承する技術者ではなく、新しい美を創造する芸術家であるという矜持から、重要無形文化財保持者、つまり人間国宝としての指定を断ったそうです。波山の立ち位置をよく現わしているではありませんか。
僕が文化財保護審議委員をやっていた2002年、波山の「葆光彩磁珍果文花瓶」(泉屋博古館蔵)と宮川香山の「褐釉蟹貼付台付鉢」(東京国立博物館蔵)が同時に重要文化財に指定されました。
波山は確か東工大の前身の東京工学校の先生だったとおもいます。
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