2021年5月17日月曜日

東京藝大美術館「渡辺省亭」展8

 


「僕の一点」は、もちろん静嘉堂文庫美術館が誇る渡辺省亭原画・濤川惣助作「七宝四季花卉図花瓶」ですね。カタログ解説に「省亭の原画を無線七宝の技術で華麗に再現した濤川惣助による七宝制作の花瓶のなかでも、ほかに類例を見ない豪華な一品」とあるとおりです!!

2018年、明治維新150年を記念して、静嘉堂文庫美術館では「明治からの贈り物」展を開催しました。もちろんこの花瓶も出陳したのですが、皆さんからも「いいね!」をたくさん頂戴しました。上の写真は、そのとき中村剛士さんがブログ「青い日記帳」にアップしたものです。その企画展を思い出しながら、東京藝術大学美術館のギャラリーで、燦然たる光輝を放つ我が名品に、改めて見ほれたことでした。

ところで、「次はこれだ! 知られざる日本美術の名匠」というのが、本渡辺省亭展のキャッチコピーです。すでにアップしたことがあるように、伊藤若冲のあとは長沢芦雪だという説と、鈴木其一だと見立てがあって、二人で跡目争いをやっていましたが、今回あらたに渡辺省亭が加わることになったわけです。これから若冲の後釜をねらって、熾烈な三つ巴合戦が繰り広げられることでしょう()

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「英一蝶」4

  あるいは、何か白日夢を見ているような感じにとらわれるといってもよいでしょう。一般的に風俗画であれば、あふれる躍動感を稱賛するものですから、静謐だなどと言えば、チョット島一蝶をおとしめているように聞こえるかもしれませんが、もちろんそうではありません。それどころか、静的なところに...