2021年5月18日火曜日

辻惟雄『日本美術の歴史』と沢村忠1

辻惟雄『日本美術の歴史』<補訂版>(東京大学出版会2021)と『奇想の系譜』(美術出版社1970)と沢村忠

 辻惟雄さんが16年前に出版して洛陽の紙価を高めた『日本美術の歴史』の補訂版を送ってくださいました。「かざり」「あそび」「アニミズム」という辻イーセティックスによって書き下ろされた本書は、通史でありながら個性的であり、個性的でありながら通史としてとてもよくまとまっています。

 しかも、教科書としても使える1冊をという、東京大学出版会の要請にしっかり応えています。もっとも、僕が尚美学園大学で教えていたころ、教科書に指定したのは、同じ辻さんが監修した『カラー版 日本美術史』(美術出版社)の方でした。なぜかって? 『カラー版』の方が安かったからですよ(⁉)


0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「絵金」8

  鎌倉幕府二代将軍、源頼家の時代。頼家の家臣・三浦之介義村と、北条時政の娘・時姫の悲恋と忠孝の葛藤を描く。二人は許婚であったが、将軍家と北条家の内乱によって家が敵同士となる。戦場に出ていた三浦之介は、病気の母・長門を心配し、時姫が長門を看病している家へ深手を負った状態で戻る。し...