しかも、源融は先の一首からも想像されるように、陸奥に関心を寄せ、塩竃しおがまの浦をしのんで難波の浦から邸内の池へ海水を運ばせ、塩を焼かせて楽しんだことになっています。異郷への興味という点で、日本へ関心を寄せた唐の皇帝や白楽天とも微妙に通い合うのです。さらに両者とも、月夜が重要なモチーフになっています。
「少年行×阿倍仲麻呂」は回帰ペアです。理想郷憧憬ペアといってもよいでしょう。阿倍仲麻呂については、説明の要もありません。留学生として唐に渡り、玄宗皇帝に寵遇されました。しかし望郷の念止みがたく、帰国を試みましたが海難のため果たせず、唐で没した天平貴族です。「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」は「百人一首」に選ばれて有名ですね。
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