2025年9月5日金曜日

東京国立博物館「江戸☆大奥」7

 

そして明治20年代を迎えると、早くも富国強兵による近代化に成功した自国に、多くの国民が自信と矜持を抱くようになりました。それと日清戦争がまったく無関係であるはずはありません。

そうなると旧弊としてあれほど否定したはずの江戸時代を、誇るべき歴史の1ページとしてながめる余裕ができてきたのです。あるいは江戸時代のことをよく覚えている人の方が圧倒的に多かったわけですから、西欧合理主義的な近代以前の古きよき時代に対する郷愁やノスタルジーも、余裕とともに生まれやすかったでしょう。楊洲周延の「千代田の大奥」は、そのような時代風潮のなかから誕生した一大絵巻だったのではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 4

確かに渡邊庄三郎が目指した新版画は、旧型に囚われず、画家の個性を発露させた芸術品で した 。しかし 僕は、そこに 江戸の 美意識、さらにいえば伝統的な日本人の 美的 感性が色濃く反映しているように 感じて きました 。 その理由の一つ が 、 22歳までは江戸時代 に生きた 清親...