2025年8月10日日曜日

根津美術館「唐絵」10

 

「江天遠意図」は摂津から淡路島を望んだ実景図であるという意見がありました。その根拠になったのは、惟肖得巌いしょうとくがんという、最後に南禅寺の住職をつとめた有名な禅僧の七言絶句賛です。しかし惟肖得巌がこの山水図を見て、かつて住職をつとめた摂津のお寺と、そこから望まれる淡路島を思い出したというだけの話で、伝えられるところの周文が実景を描いたわけではないでしょう。その惟肖得巌が詠んだ賛詩も、ズバリ感情移入です‼

  かつて五年も住んでいた 摂津・海崎かいきの棲賢寺せいけんじ

  遠くながめる淡路島――青螺貝あおにしがいとよく似てた

  巧みな筆でこの風景 描いた画家はどこの誰?

  見てると独り松の下 坐してる気持ちになってくる


0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 17

   三菱一号館美術館「トワイライト、新版画――小林清親から川瀬巴水まで」を内覧会で見せてもらったあとで、 いま饒舌したような 巴水風景版画 サウダーデ 観 が 心に 浮かんでき た ん です。もちろん会場で作品を前にしたときは、ただいいなぁと ながめるだけでしたが……。    ...