2025年8月9日土曜日

根津美術館「唐絵」9

ですからNHK青山文化センター講座の配布資料には「伝周文筆」としましたが、先の『室町画賛』では厳密に「筆者不詳」としてあります。アカデミックな意味では「筆者不詳」ですが、ずっと周文筆と言われてきわけですから、「伝周文筆」で構わないでしょう。もちろん「唐絵」展のキャプションは「伝周文筆」となっています。

詩画軸を美術館で鑑賞しようと場合、先の『室町画賛』を持って行けば話は別ですが、詩を読もうとしてもなかなか読めませんし、読めたとしても意味はほとんど分かりません。ですから詩画軸は感情移入をもって鑑賞するのがベストです。そもそも「江天遠意図」に着賛された11首を読んでみると、これら大岳周崇をはじめとする有名な禅僧も、みんな感情移入をもって画をながめ、詩を詠んでいることが分かります。

  ヤジ「前には文人画も感情移入して見ろとかいって、ケムに巻いていたじゃないか!!

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「絵金」18

  このように絵金は、フラクタルや鏡像関係を対角線構図と異時同図法のなかへたくみに埋め込み、堅固な構図を構築しているのです。画面が一見錯乱状態にあっても、鑑賞者が錯乱状態に陥らないのは、このような構成構図の卓抜かつ緻密な組み立てによるところが多いように思われます。 だからとい...