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2025年7月12日土曜日

太田記念美術館「鰭崎英朋」12

しかも展覧会場に足を運ぶ美術ファンの何倍、いや、何十倍何百倍もが全国津々浦々にいたことでしょう。それは「大衆」であったかもしれませんが、身銭を切って雑誌を求める人たちでした。

もちろん口絵や挿絵を矮小な空間だとしてそこを脱出し、大作や屏風絵を描き、展覧会に出品して画名を高めるべく、さらに褒章を獲得するべく精魂こめて誠心誠意努力する――これもすぐれた画家の生き方、人間のあり方です。そのように生きた清方、わが故郷秋田から出た寺崎広業、そして現代の横尾忠則――みな僕が尊敬して止まないアーティストです。

しかし生き方は人それぞれ、どちらが正しくどちらが間違っているということはないでしょう。どちらが美しく、どちらが見苦しいということもないと思います。どちらが幸せで、どちらが不幸せということもあるはずがありません。英朋の一生は正しく、美しく、十分に幸せだったと思います。


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