2024年12月3日火曜日

東京国立博物館「はにわ」3

 

 この「ごあいさつ」にある「埴輪が作られた意味」、つまり埴輪誕生論にもっとも強い興味を掻き立てられるのは、僕一人じゃ~ないでしょう。

埴輪が円筒埴輪から形象埴輪へと発展したこと、その円筒埴輪は弥生時代後期の祭祀用壷瓶などを載せる器台――特殊器台から生まれたこと、円筒埴輪と形象埴輪を集合させて群像を作り、前方後円墳をはじめとする古墳を飾ったことなどは、発掘や調査をとおして、考古学という学問が明らかにしてきました。ほぼ定説が確定しているといってもよいでしょう。

しかし「埴輪が作られた意味」については、さすがの考古学もお手上げだったのです。いや、考古学者は頭をしぼって懸命に考えてきました。その結果、ざっと数えただけでも、10以上の「埴輪が作られた意味」が提起されることになりました。

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