2024年12月4日水曜日

東京国立博物館「はにわ」4

 

そのなかには、すでに考古学界で否定された説もありますが、多くは提起されたままになっており、したがって定説と呼ぶべきものは存在しないようにみえます。つまり「埴輪が作られた意味」はまだ分かっていないのです。

かつて埴輪は痛ましい殉死を廃止するため、その身代わりに作られたと考えられてきました。これを殉死代用説と呼ぶことにしましょう。その根拠は『日本書紀』垂仁すいにん天皇3276日の条にありました。本来なら岩波版『日本古典文学体系』を掲げるところですが、頭注を読んだって、意味の半分くらいしか分かりません()  仕方がないので(!?)井上光貞編『日本の名著』(中央公論社)の現代語訳を引くことにしましょう。


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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...