2024年8月15日木曜日

すみだ北斎美術館「北斎グレートウェーブ・インパクト」6

 

我ながらうまい思い付きだと内心自負していたのですが、狩野探幽の「隠現効果」や円山応挙の「迫央構図」、あるいは与謝蕪村や酒井抱一の「微光感覚」のように誰も使ってくれませんでした。ガックリきて、もうあきらめていました。

ところが奥田敦子さんによって、この「伸暢感覚」が蘇生したんです。しかも空前絶後の「北斎グレートウェーブ・インパクト」展においてですよ!! 会場のキャプションにも「伸暢感覚」と書かれていたので、「皆さん、この命名者は僕ですよ」と叫びたいような気持ちになりました(!?)

秀逸なる構成の展示を見終わって、北斎が琳派や洋風画や南蘋派から影響を受け、自己増殖を繰り返しながら、グレートウェーブというハイブリッド絵画を創り出した秘密をよく理解することができました。しかし一言でいえば、北斎が天才だったからです!!

 ヤジ「それを言っちゃ~おしまいよ」

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「物、ものを呼ぶ」19

  もっともヤバイ !! と思ったのは、右隻の浅草寺参道あたりに描かれる三十三間堂の建築年代です。完成したのは寛永 20 年( 1643 )、家光の命を受けて 4 月に射初めの儀式が執り行われたというのです。 となると、この「江戸名所図屏風」が制作されたのは、寛永 20 年以...