2024年7月16日火曜日

サントリー美術館「尾張徳川家の至宝」5

 

箏はフレットのあるギターに、琴きんはフレットのないヴァイオリンに似ているといったら判り易いでしょうか。当然、箏の方が最初は親しみ易いでしょう。石川憲弘さん編著の『はじめての和楽器』(岩波ジュニア新書 2003年)によると、昔から「三味しゃみ三年箏こと三月」という言葉があるとのことです。

箏を習い始めて3ヶ月もすれば、ある程度他人に聴かせることができますが、三味線は同じ程度になるのに3年かかるという意味です。三味線にはフレットや柱がないからですが、琴もそれと同じでしょう。ただし琴には、弦を押さえる際の目印となる徽があるようですが……。

「僕の一点」に選んだ「箏」には、「青海波」という銘がついています。共鳴胴である槽そうの磯と呼ばれる側面に、青海波のような波文の蒔絵が施されているためでしょうが、誰がつけた銘か不銘、いや不明のようです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...