富士川英郎先生の『江戸後期の詩人たち』(筑摩叢書)に採られる「春遊」も賛酒詩、とくに後期高齢者の心に染み渡ります。お正月にはチョッと早すぎますが……。
春の遊山ゆさんも年とれば 気の向くままにのんびりと……
大切なのは酒を持ち 霞のなかで酔うことだ
陰暦二月は日本晴れ 清明節のころは雨
あっちこっちと江戸の花 行かない所はありません
乾山も兄に劣らず能謡曲を嗜好していたわけですから、それをみずからの作品に取り入れることは「当たり前田のクラッカー」だったんです。しかし「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」の場合は、能謡曲の記憶や思い出がかすかに揺曳しているような作品と言った方が正しいでしょう。 それは「高砂」の...
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