富士川英郎先生の『江戸後期の詩人たち』(筑摩叢書)に採られる「春遊」も賛酒詩、とくに後期高齢者の心に染み渡ります。お正月にはチョッと早すぎますが……。
春の遊山ゆさんも年とれば 気の向くままにのんびりと……
大切なのは酒を持ち 霞のなかで酔うことだ
陰暦二月は日本晴れ 清明節のころは雨
あっちこっちと江戸の花 行かない所はありません
目出度い雪が彼方まで 驚くほどに降り積もり 目出度い雲が天上の 果てまで暗く してる けど 地上はまるで満月の 夜かと疑う明るさで 山には白雲 棚引いて きらめく朝日を 浴び てる よう 舞うがごとくに降る雪は ひらひら 散って...
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