江南で歌われたおおらかな蓮採りの民謡は、じつをいえば蓮採りにかこつけて恋人を求め合う若い男女(魚=男、蓮=女)の情歌こいうたであったろうというのが、中国の古典学者・聞一多氏以来の解釈である。
そうだとすると、河島英五の名曲「酒と泪と男と女」を持ち出すまでもなく、酒と恋はツキモノですから、いよいよ「青磁鎬文壷」は酒壷にピッタシカンカンということになります(笑) 聞一多は名著『中国神話』(東洋文庫)を著わした詩人にして民俗学者、僕は本書を読んで、曜変天目虹霓嫌悪説を思いついたんです。陶磁専門家はみなさん眉にツバしていますが……。
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