2023年11月4日土曜日

東京国立近代美術館「棟方志功展」8

 

棟方志功君は奇人である。一度同君に面接した経験のある人なら、私のこの説に同感しない者はあるまい。

  眼病の棟方志功眼を剝きて猛然と彫るよ森羅万象

 嘗て私は戯れにこんな歌を詠んだことがあるが、あの噛みつくように面を伏せて、恐ろしい速力で筆を運ばせるあの顔つき(毛筆を揮う時は勿論、鉄筆を以て版画を彫る時もその速力には変りがない)、あの独特な津軽弁の物の言い方、アイヌの血が混じっているかと思われるあの皮膚の色、何一つとして人を驚かさずにはおかない。


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