2023年11月5日日曜日

東京国立近代美術館「棟方志功展」9

 その棟方君から、先日私は一通の書面を貰った。中にこんな文句が書いてあった。――中央公論社様から、わたくしの「板極道」という本を出すことになりまして、……(以下略)

――当人は奇を衒てらっているのではなく、大真面目でこんな書き方をする。

 棟方君によればこの「板極道」は、ミチヲキワメルではなく、世に云うゴクドウの意であるという。そしてバンゴクドウと読ませるのだという。「先生」と書かないで「先醒」と書くのも同君独特の文字遣いで、こんな風な文字遣いが同君の書簡にはいつも文中至るところに満ちている。「敬って、尊とくあります」なども不思議な云い廻し方である。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 15

  モラエスは「以上諸点の総括」の章でも、 「改革の大演劇」によって「美という美がすべて荒廃しつつある」ことを慨嘆しています。 荒廃 のなかに残るわずかな美を探し求めた、サウダーデの旅の結晶が 『日本精神』 をはじめとするモラエスの著作 だったように感じられます。   旅の画家と...