もっとも印象に残っているのは、呉春の「柳陰帰漁図屏風」ですね。京橋のお店で拝見した瞬間、呉春池田時代、新出の傑作だと直感、ぜひ『國華』に紹介したいと思いましたが、呉春についての知識と鑑識はゼロでした。
そこで逸翁美術館の岡田利兵衛先生をお訪ねして、所蔵品を拝見するとともに、たくさんのことを教えていただき、ようやく『國華』999号(1977年)に紹介できたことが、いまは懐かしく思い出されるのです。その後「柳陰帰漁図屏風」は静岡県立美術館に収まり、同館を代表する円山四条派作品となっています。
今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...
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