僕は「宗達と能」という発表を行ないましたが、クロージング・リマークス――総評を担当された先生は、とても興味深い発表だったと褒めてくださいました。こういう場合、たいてい褒めるものではありますが……(笑)
とはいえ、僕は発表するまでまったく自信がありませんでした。しかし、先生の一言によって活字化する決心がつき、駄文集『琳派 響きあう美』にも収めることになったのです。
というわけで、僕たち日本人一行を歓迎してくれたハリケーン・イズドアーとともに、生涯忘れられない国際シンポジウムになったのです。
「僕の一点」は 建長寺所蔵の「釈迦三尊図」ですね。南宋仏画のゼッピンです。 じっと観ていると、一部に華麗な色彩を使いながらも、異民族に北半分を奪われてしまった南宋人の哀しみと愁いが胸に迫ってくるような色感です。 南宋絵画というと、馬遠・夏珪の水墨山水画や、禅宗水墨画がまず頭に浮...
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