2022年3月1日火曜日

下川裕治『12万円で世界を歩く』4

 

1989年春、北京日本学研究センターへ講師として出かけたとき、ひまな時間を利用してずいぶん旅行をしました。これまでも結構アップしたと思いますが……。中国人民の生活を知りたくて、彼らと一緒に硬座に乗り、一緒に屋台で食べ、一緒に招待所に泊まりましたが、その勇気を与えてくれたのは下川さんの「12万円で世界を歩く」でした。

もしこれを知らなかったら、外人向けの旅行社CITSですべてを手配してもらい、外匯ワイホイの札びらをこれ見よがしに切り、通り一遍の中国を知っただけで帰国したことでしょう。そのあと下川さんは、これを単行本にまとめて朝日新聞社から出版しました。僕が持っているのは、1997年の朝日文庫本の方ですが……。下川さんは「あとがき」に、愉快な後日談を書いています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」4

          目出度い雪が彼方まで 驚くほどに降り積もり     目出度い雲が天上の 果てまで暗く してる けど     地上はまるで満月の 夜かと疑う明るさで     山には白雲 棚引いて きらめく朝日を 浴び てる よう     舞うがごとくに降る雪は ひらひら 散って...