「窟室蕭然図」の賛
みぎわの家はものさびて 絶えて聞こえず外の音
調弦しながら客を待つ 陰翳礼賛――そんな気分
仲秋の月 照らす山 鳥も驚く明るさで
葉擦れの音に人語なく 琴の音[ね]夜半[よわ]に冴えわたる
素焼きの猪口にマツヤニで 醸[かも]した酒は辛口で
竹の琴柱[ことじ]も琴線も ずっと使ってきたものだ
嘆いちゃならぬ!! 世の中に 真の友だち少なきを
好悪[こうお]が強いもともとの 俺の性格ゆえだから
いまだ原文にあたるチャンスがなく、湯原かの子さんの『絵のなかの魂 評伝・田中一村』<新潮選書>(新潮社 2006 年)から引用して、このエントリーを締めくくることにしましょう。といいつつ、もうチョット続きますが……。 朝と夕に訪れる、昼と夜のはざま、暗から明に、明から暗...
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