2021年10月18日月曜日

東京美術俱楽部「美のまなざし」「東美特別展」3

 

『國華』も長きにわたり、東京美術倶楽部と大変親しくさせていただき、有形無形の恩恵を拝してきました。改めて感謝の辞を捧げたいと思います。というわけで、この「美のまなざし」展を『國華』もお手伝いすることになり、10点のうち6点のカタログ解説を、國華編集委員が担当したのです。その瀟洒なカタログには、國華主幹の佐野みどりさんが「ごあいさつ」を寄せていますので、その一部を紹介しておきましょう。

明治40年(1907年)創立の東京美術倶楽部は、日本の美術業界を領導する百十余年の歴史を刻んでこられました。明治22年創刊の『國華』もまた、「美術は国の精華なり」と日本における美術の顕彰を理念に美術品の紹介に努めてまいりました。その間、東京美術倶楽部の皆さまには、さまざまにご助力を戴きました。

明治末から大正、昭和。関東大震災や経済恐慌、第二次世界大戦、戦後の復興、そして平成から令和という時代の大波の中で、美術品もまた影響を受けてきました。移り変わる時代のなかで、数多くの美術品が東京美術倶楽部の売立会や入札会などを経て、それぞれの居場所へと流通していったことへと思いを巡らせ、今現在、展覧会や美術館での作品との出会いが、このような縁によって結ばれていることに深い感慨を覚えます。

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