2021年9月14日火曜日

山根登・生の証6

 山根登さんが華道家のお父さん・山根翠堂先生や、僕の恩師でもある弟の山根有三先生に、中国の戦地から送ったスケッチや手紙絵に対するオマージュを、半年ほど前この「饒舌館長」にアップしました。これをご覧になった真生流家元の山根由美さんが、その一部を機関紙『真生』315号に紹介してくださいました。とてもうれしく感じるとともに、ブログゆえ推敲もよく加えていない拙い文章をチョット恥ずかしく思ったことでした。

そこに新しく紹介された登さんの「長沙の兵舎」は、黒インクにバアント・シエナを加えたバイクロームのスケッチです。その陰翳が生み出す清らかなリリシズムに、僕はさらに感を深くしたのです。そしてこの作品も、何かとても懐かしい感情――ポルトガル語の「サウダーデ」を呼び起こしてくれたのです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」2

    そのカタログから「ごあいさつ」を掲げて、 根来塗のあらあらと 展覧会の趣旨を知ることにしましょう。   「根 来 」は一般的に、下地を施した木地に黒漆塗りし、朱漆を上塗りした朱漆塗漆器( 朱漆器ともいう) を指します。 おおらかで明快な姿かたちに加えて、長年の使用により表...