2021年9月15日水曜日

山根登・生の証7

すでにアップしたように、僕が長沙を訪ねたのは1995年、香港大学で日本美術史を講義していたときでした。いまその時の旅日記を引っ張り出してきて、ながめているところです。117日、馬王堆の遺跡と出土品を見たあと、湖南省博物館を見学し、夕方ホテルの湖南民航大酒店へ戻っています。そして一休みしたあと、前日も食べた長沙駅前の大衆食堂に出かけ、激辛の三鮮火鍋なるものを注文して白酒を飲んでいます。

日記には「中国人民と交歓」なんて書いてあります。というのは、隣のテーブルで飲んでいた数人とおしゃべりになり、なぜか話題が拉麺のことになると、そのなかのスガメの男が、俺はその名人だと言いつつ調理場から小麦粉のかたまりを持ってきて、遠来の日本人に文字通り麺を拉[]き伸ばす実演を見せてくれたんです。確かに妙技でした。

 

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