いま浮世絵研究では、この時代にスポットライトが当たっています。事実、河治さんは、日野原健司さんの「歌川国芳の娘たち――好鳥・芳女の生涯と画業――」(『太田記念美術館紀要 浮世絵研究』10号 2019)というすぐれた論文を参考にしたことを、「あとがき」に書いています。
もし若い浮世絵研究者で、この時代に関心がある方がいらっしゃったら、日野原さんをはじめとする詳細なる論文を読む前に、あるいはそれと並行して、ぜひ『ニッポンチ!』を読むようすすめたいと思います。渡辺京二さんの名著『逝きし世の面影』に描かれたような一つ文明が、明治時代の浮世絵界にもしっかりと残っていたことを教えてくれるからです。
0 件のコメント:
コメントを投稿