2025年10月1日水曜日

サントリー美術館「絵金」19

 

 先に絵金の歌舞伎絵フォーヴィスムは、幕末歌舞伎の反映でもあると書きました。では幕末歌舞伎には、どのような特徴があったのでしょうか? 愛用している『歌舞伎事典』(平凡社 1983年)の「総説」を担当された服部幸雄先生は、「化政期の歌舞伎」と題してつぎのようにお書きになっています。

江戸歌舞伎の伝統だった綯交ぜの構成法を用いながら、並木五瓶によってもたらされた写実的手法をより徹底させて使うという、独自の作劇術を生み出し、<生世話きざわ>と呼ばれる市井写生劇の基礎を築いたのが、文化・文政期を代表する四世鶴屋南北である。 南北の作品に見る、残酷・非情・狂気・怨念のすさまじさは、他に比類を見ぬほどのものである。 

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