米国カリフォルニアに住む浮世絵研究科ロジャー・S・キーズ氏は、昭和47年(1972)出版された『在外秘宝・浮世絵 鈴木春信』に、肉筆や版本挿絵を除いた春信全作品目録の労作を発表した(以下キーズ目録またはKと略称)。異版、復刻版、当然その存在を予想されながらいまだ確認できない作品、春信画か否か確認できない作品を含めて、総数1167点が挙げられている。このうち紅摺絵は86点で、内訳は柱絵版10点、細版60点、大判16点となっている。これらのうちに31点の役者絵が含まれている。役者絵は美人画や古典的主題を扱った名所絵・歌仙絵・武者絵などと異なり、画面に記される役者名と役名から上演の年月が判明する場合も多く、浮世絵の研究に貴重な資料となっている。
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