2020年12月8日火曜日

追悼ロジャー・キーズ先生6

 

 僕はキーズ春信目録をもとに、上演年月の確定できる春信役者絵目録を作って、話を始めることにしました。つまり僕の春信私論は、キーズ先生の研究から出発するものだったのです。キーズ春信目録がなければ、この「春信――錦絵への軌跡」という拙文はとてもまとまらなかったことでしょう。

キーズ先生はご自身の浮世絵研究所を開かれるとともに、ブラウン大学の客員教授をつとめられ、実証的な浮世絵研究により、学界に裨益するところきわめて大なるものがありました。2006年、ニューヨーク公立図書館で開催された「スペンサー・コレクション絵本展」はそのすぐれた成果であり、The Artist and the Books in Japanというカタログ図書にまとめられています。

 ロジャー・キーズ先生、どうぞ安らかにお眠りください。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...