2020年3月3日火曜日

お酒をほめる和歌4



僕が愛してやまない酒仙歌人旅人も、去年からはもっぱら「令和」の歌人として有名ですね。『万葉集』巻5に収録される「梅花の歌三十二首」の序に、「時に、初春の<令>月にして、気淑く風<和>ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」とあるところから、「令和」という元号が選ばれたからです。皆さん、よくご存知のとおりです。

もちろん「令和」も悪くありませんが、その32首のうち、旅人が詠んだのはわずか1首にすぎません。そのあとにある「後に追ひて梅の歌に和へる四首」が旅人の詠だったとしても5首です。一方「酒を讃むるの歌」は13首も詠んだわけですから、『万葉集』の旅人詠から年号を取るとすれば、当然こちらによるべきだったのではないでしょうか?

これには序がないので、題から取ることになりますから、おのずと「讃酒」となります。去年は「讃酒元年」、今年は「讃酒2年」――じつに素晴らしいじゃ~ありませんか(笑)


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