2020年1月30日木曜日

アーティゾン美術館「見えてくる光景」10


野中堂環状列石の規模は径42m、万座環状列石は径48m、合計の90mが両列石間の距離という規則性があります。 環状列石を形づくる配石(組石)遺構は、内帯および外帯に一様に分布しているわけではなく、内帯が6群に、外帯は12または13群に群集しています。また、内帯内径の倍が内帯外径、内帯外径の3倍が外帯外径という整数倍の関係にあります。

二つの環状列石を形づくっている石の総数は、5000個から6000個に及ぶという。そのほとんどが石英閃緑羽岩で、遺跡から47kmも離れた安久谷川から運ばれたらしい。平均30kg、もっとも重いものだと200kg に及ぶ。『展示図録』は、これらが一年中随時運ばれたものではなく、橇が使える積雪期に運ばれた可能性を指摘しているが、いずれにせよ想像を絶するような労苦である。これまた想像を絶するような固い団結力が縄文人にあったとしても、 重労働であることには変わりない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京都美術館「田中一村展」2

一村ゆかりの地として、栃木、千葉、奄美が挙げられますが、本展覧会の開催地の上野も縁の浅からざる場所でした。大正 15 年( 1926 )、東京美術学校(現・東京藝術大学)へ入学するもわずか 2 ヶ月で退学。戦後は、東京都美術館が会場である公募団体展に何度も挑戦しますが入選すること...