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2019年5月22日水曜日

三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡展」6


 それとともに、「ラスキンは、素描に取り組むときこそ、自身が興味深いと感じるすべての事象をさらに深く熟視できることに、実体験を通して気づいていた」という記述から、すぐに僕は渡辺崋山を思い出したのです。松岡台川編『全楽堂記伝』(岩瀬文庫本)に、次のような一節があるからです。

予山水を見て真景を写し、動植を看て其の形容を模したるは、忽卒の間になすところにても、夫を他日浄写せんに、真を見て描きたるときの如き、真物のをもむきは得られぬなりといへり。

 19世紀のイギリスと日本で生きた二人の天才が、まったく影響関係なしに、ほとんど同じ真理に到達していたのです。これをシンクロニシティなどと言えば、ラスキンと崋山に対し失礼に当たるかもしれません。だからといって、古典主義から浪漫主義への革命的転換が、東西の小さな島国で同時に起こっていたのだなどといえば、またまた饒舌館長が独断を……ということになるかもしれませんね()

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