2019年1月4日金曜日

謹賀新年4


また蘇東坡の方も、黄州への遠地追放を解かれて汝州へ転任する途中、南京に隠棲していた王安石を訪ねて、楽しく語り合ったそうです。すごくいい話ですね。解説者の清水茂さんも、「これらの詩人たちは、文学者としては、友人となり得る大らかな人たちであった」とたたえています。

今年のお正月は9連休、一杯機嫌で戯訳をつけながら、王安石と遊ぶことにしたというわけです。王安石は下戸だったらしく、『中国詩人選集』に将進酒のような詩は一首もありません。しかも謹厳実直を絵に描いたような王安石ですから、ほろ酔い戯訳など、天上から一喝されてしまいそうですが……。

その中からここに紹介するのは、「長安君に示す」という七言律詩です。長安君とは王安石の妹である文淑のことです。張圭という人の妻となり、長安県君という称号を朝廷からもらったからだそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」9

  先日、 鏑木清方記念美術館の「あの人に会える! 清方の代表作<築地明石町>三部作」展で井手誠之輔 さん にお会いしたことをアップしました。その井手さんが、この「扇影衣香」展カタログに、「総論 絵から見た鎌倉の美術と東アジア世界――人と仏――」という巻頭論文を寄稿しています。 ...