また蘇東坡の方も、黄州への遠地追放を解かれて汝州へ転任する途中、南京に隠棲していた王安石を訪ねて、楽しく語り合ったそうです。すごくいい話ですね。解説者の清水茂さんも、「これらの詩人たちは、文学者としては、友人となり得る大らかな人たちであった」とたたえています。
今年のお正月は9連休、一杯機嫌で戯訳をつけながら、王安石と遊ぶことにしたというわけです。王安石は下戸だったらしく、『中国詩人選集』に将進酒のような詩は一首もありません。しかも謹厳実直を絵に描いたような王安石ですから、ほろ酔い戯訳など、天上から一喝されてしまいそうですが……。
その中からここに紹介するのは、「長安君に示す」という七言律詩です。長安君とは王安石の妹である文淑のことです。張圭という人の妻となり、長安県君という称号を朝廷からもらったからだそうです。
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